講師:株式会社博水社 代表取締役社長 田中秀子様
内容:
1.博水社の歴史と事業承継
①博水社の前身である田中武雄商店から戦後、博水社と改め「町のジュース屋」して再出発。
②戦後、復興期は甘いものが少ないじだいであり盛隆した。当時同様の業態は都内200社。
③しかし大手飲料メーカーの台頭で売上減少。都内の同業も倒産、廃業に追い込まれる。
④博水社は先代で二代目社長は一年通して売れる商品開発を模索していた。
⑤アメリカへ娘(現社長)も連れ旅行。現地でアルコールを割って飲む文化に触れヒント得る。
⑥帰国後、商品開発に没頭、1980年、ハイサワーが誕生。
⑦跡取りとして現社長である田中秀子社長が就任。しかし製造面、財務面、営業面は不明な点が多々あり苦労した。
2.事業承継後の取り組み
①お酒の割材として脇役に徹する。お酒の名脇役、お店や街を盛り立てる事に専念
②脇役としてのコラボ。例)キリン 焼酎白水、いいちこ、キンミヤ焼酎とのキャンペーン。
③飲料店への営業。キャンペーンガールを取り入れた販促活動
④街を盛り立てようと都内でのイベント開催。蒲田 梅ちゃんサワー、サワー特区の取組。
⑤観光協会との取組事例。亀戸うめハイボール
⑥倉庫飲みイベント。次世代に知ってもらう工夫。マスコミにも取上げられる。
⑦新規事業。アルコール入り飲料への挑戦。
⑧年間400の新商品が投入されるチューハイ缶市場へ挑戦。最初は好調もその後、停滞。
⑨方針転換し「東京目黒」ブランドを押し地元のみの販売に徹した。
⑨「東京目黒」という地域ブランドに注目され成城石井、大丸東京で採用。
⑩現在、創業91年。100年企業を目指しシークワーサー17%入りハイサワーの発売等新たなことにも挑戦中。
⑪質疑応答:イベント、マスコミへのアプローチなど販促中心とした質疑応答がされた。
所感:
博水社の創業からジュースメーカーから割材メーカーへの転換までの二代目の取組。三代目として他社や地域の飲食店との協業、新規事業であるアルコール飲料市場への挑戦といった新たな取り組みとそれぞれの経営者の苦悩や想いを感じながら実例が聞けたことは非常に勉強になった。
事業承継実務研究会 2019年6月例会議事録
2019年6月7日(金)18時30分~20時15分
品川区中小企業センター
合計40名